木林文庫庵主の日々雑記

過去の雑記

君は何も見ていない

盛岡と仙台の書店訪問に合わせて、花巻の高村光太郎記念館へ。佐喜世の母は光太郎に私淑しており、手紙の返事を貰っていたくらいである。「母を連れてきたかったな」と言いつつ、氷雨の合間を縫って敷地を歩き回っていた。

使ったタクシーはいずれも熊談義だったが、急に出没するようになったわけではなく、以前から見かけたという話は多かったそうである。但し、冬眠しない熊は明らかに増えていると。

仙台では、案内して下さる方に出会って、津波の被害が大きかった荒浜海岸と荒浜小学校、そして子供たちや住民を校舎に避難させた荒浜小の校長や町内会会長たちの記録映像を見た。

つい先日、アラン・レネ監督の「24時間の情事」について話た時、「私はヒロシマを見た」「君は何も見ていない」という男女のやり取りから「見る」ことの意味に触れたばかりだったので、「見る」ことの意味を自問することになった。
この日の小学校校庭には、仙台市の小学校からやってきたバスが何台も駐車していた。4年生だという彼らは忘れられないものを見ることになるだろう。

高村光太郎記念館