木林文庫庵主の日々雑記

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SAOH

石川丘子 at saoh

表参道のギャラリーSAOH(砂翁)で石川丘子の木版作品を見た。

昨日と今日、今とさっき、開ける閉める、私たちの裡なる眼はその境を重ねる作業を時々刻々繰り返している。今回展示されている作品の中で彼女が提示しているのは、この重ねの中で生じるずれ、震え、揺らぎを一幅の版画に閉じ込めているのだ。

本来、同一平面上では見ることのできない現象を、その同一平面でみせるというアクロバティックな試みは、風景の表裏、後ろの正面化、割れた急須の欠片と元の姿を並べる時間の並べ替えに見て取れる。

大いなる時間の蓄積たる木版画で、作家はいとも軽やかにその試みの成果を私たちの前に広げている。
販売されているグッズの、コースター―の絵柄が面白い。