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『樅の木は残った』は江戸時代前期の史実「伊達騒動」において、悪玉の権化とされてきた家老の原田甲斐を主人公に据えた、400頁を超える文庫が三冊の長編。お家内の確執に矮小化されてきた事件の真は、雄藩伊達を改易させて盤石の体制を築こうとする徳川幕府中枢と仙台藩との息詰まる暗闘にあったとするのが山本周五郎の捉え方である。