木

Trees

Trees

Andreas Feininger Penguin Books 1968

世界のいろんな種類の木についての写真集です。地肌に近寄ってみたり、いろんな育ち方をしている木だったり。結構専門的だと思います。自然なのか細工なのかよく分からないものもある。木全般についての本ですね。

Tree

Tree

C.W.ニコル 徳間書店 1989

C.W.ニコルさんは黒姫に長く住んで日本語も達者でしたが、元々はウェールズの方です。ニコルさんと宮崎駿さんがなぜ対談しているかというと、ニコルさんは黒姫に自分で土地を購入してそこを守っていく、宮崎さんはトトロの森。二人とも樹木が失われていくことへの怒りがあり、悲しみがあり、危機感を持っている。それを共有して、自分たちも立ち上がらなくてはいけないし、みんなも共有してくれ、という結構熱い対談です。

The Tree

The Tree

Judy Hindley ABC / The All Children's Co 1990

『The Tree』になぜ付箋を付けたかというと、Beech——ブナです。エクリで出した『木の戦い』の一番最初が The tops of the beech trees で始まるので、あっと思って。

木

木L'arbre

Pascale de Bourgoing Gallimard Jeunesse 2008

フランス語で木は Arbre。これも一字です。子どものための本らしく、一種のしかけ絵本になっています。種から芽が出て、大きな木になって、実ができる。マロニエでしょうか——栗のように見えますが、マロン(marron)でも食べられないほうです。木の一生、木の成長がこうやって展開していく。季節によって色が変わり、鳥がついばんでいく。

l'arbre, le loir et les oiseaux

l'arbre, le loir et les oiseaux

イエラ・マリ

イエラ・マリのこの絵本はいただいたものです。日本語のタイトルが「木の歌」になっているけれど、これは「木と鳥たち」というタイトルで、内容はまさにそうなんです。鳥が出てくる。

羊の木

羊の木

いがらしみきお 講談社 2011

木に生るもので怖い話もあります。その筆頭が「羊の木」です。ヨーロッパが大航海時代でいろいろな所に進出していた頃、東南アジアに出かけていった宣教師が、自分の訪ねた地方には羊が生る木があると記録に書くんですね。これは実は綿の木なのですが、イメージが分からないものだから、綿を採る羊が木に生っている絵を描いた。それがどんどん広がって、東洋には羊の生る木があるという話になりました。

大きな木のような人

大きな木のような人Saera et la botaniste

いせひでこ 講談社 2009

フランス語で Saera et la botaniste という小さなタイトルが添えてあります。サエラは主人公の女の子の名前ですが、フランス語で çà et là と書くと「あちこち」という意味になる。舞台はすべてフランス、パリのジャルダン・デ・プラント(植物園)の中の話です。

木のぼり男爵

木のぼり男爵Il barone rampante

イタロ・カルヴィーノ 白水社 1957

私は学芸大学の生まれで都会っ子の端くれですが、昔の家で庭に木はそこそこ生えていたので、木登りは結構好きでした。木登りの本といえば、代表はカルヴィーノの『木のぼり男爵』です。舞台はイタリア。主人公のコジモという少年が、料理に出されたカタツムリを食べるのが嫌で、絶対に食べないと言い張る。男爵家なので大きな領地に住んでいて、窓辺にその家の大きな木が迫っている。そこに飛び移って以来、死ぬまで木の上で生活し続ける男の話です。ファンタジーに分類されたりもしますが、描き方はものすごくリアルで、最後の最後まで文体が貫かれています。

ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑

ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑Bombástica Naturalis

イバン・バレネチェア 西村書店 2010

『ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑』は、その名の通り、完全に想像上の変な実を集めた本です。いろいろな木が出てくるのですが、さきほどの綿の木ではないですけれど、綿からできた羊毛でできた靴下が生っている木、といったものが想像されています。

大きな空の木

大きな空の木

エリック・バテュ

『大きな空の木』は加藤登紀子さんが訳しています。「百万本のバラ」の加藤登紀子さんで、この本の言葉には曲もつけているそうです。エリック・バテュはフランス生まれですが、もとは違う国の方のようですね。

木

木le bois

エルメス財団(編) 講談社 2021

この『木』を作っているのはエルメス財団です。「知ること 作ること」という総タイトルのシリーズで、これが第一冊目。この後に『土』が出ています。原題は le bois、つまり「木」ですね。

希望の木

カレン・リン・ウィリアムズ PHP研究所 2010

たった一本の木を植え育てるのも素敵なことだ。『希望の木』(カレン・リン・ウィリアムズ/リンダ・サポート絵)は、子どもが生まれると臍の緒を実の生る木の種といっしょに植える習慣があるというハイチの話。

バオバブのきのうえで

ジェリ・ババ・シソコ 福音館書店 1996

『バオバブのきのうえで』(ジェリ・ババ・シソコ・語り/ラミン・ドロ・絵)はアフリカ・マリの昔話を絵本にしたものである。絵を描いたラミン・ドロの生まれはドゴン族の祭司だという。ドゴン族といえば、フランスの民族学者マルセル・グリオールがドゴンの賢者の言葉をまとめた『水の神 ドゴン族の神話的世界』がある。水の精霊ノンモのなせる、この世のなりたちが豊饒なイメージで語られていて忘れがたい本だ。

おおきな木

シェル・シルヴァスタイン 篠崎書林 1976

『おおきな木』(シルヴァスタイン作・絵)は新訳が出たくらいだから、とても人気がある絵本に違いない。レビューを覗いても「いいね、いいね」と続いている。だが私には後味がよくなかった。手元にある旧訳本には、こうある。

一本の樹が遺したもの

一本の樹が遺したものThe Legacy of Luna

ジュリア・バタフライ・ヒル 現代思潮新社 2000

木登り少女の極めつきが、この本の人です。アメリカには本当に大きな木が多く、長田弘さんも大きな木のことをたくさん書いていますが、この人はレッドウッドという大きな木、樹齢千年とありますが、これを切らせないために自分がその木の上に登って、樹上生活を始めてしまう。それも半端ではなく、二年近く登ったまま降りてこない。彼女はしたたかで、反対派が邪魔をして恐怖を与えて降ろそうとしても諦めず、味方のテレビにこんな邪魔をされていると報道させ、支援者から食料を引き上げてもらう。木の上はものすごく寒いと思うのですが、そこで耐え抜いて結局木を守る。最後は切らせないと約束させて勝利し、降りてきました。こういう人がいたという、面白い本です。

ジョルジュ・サンド セレクション8 小さな愛の物語

ジョルジュ・サンド 藤原書店

ショパンとのマジョルカ島や男装の麗人という呼び名を知る前の高校一年生のとき、初めてサンドの小説「愛の妖精」を読んだ。わが師がプルーストの「花咲く乙女たち」を評した「淡々と溶ける砂糖菓子のような」という印象で、初心な少年はけっこう感激した。

JACARANDA

JACARANDA

しりあがり寿 青林工藝舎

木と林に関わるコミックの一冊、『JACARANDA』。ジャカランダはかなり旺盛な繁殖力のある木です。しりあがり寿さんという風変わりな作風の作家で、今は美大の学長になった方です。

木に登る王

木に登る王The King in the Tree

スティーヴン・ミルハウザー 白水社 2003

スティーヴン・ミルハウザーが三つの中篇小説を収めた本の中で、まさにその名の通り「木に登る王」の話を書いています。主題は「トリスタンとイゾルデ」とアーサー王、ここではマルク王です。「トリスタンとイゾルデ」は不倫の物語とされてオペラにもなっていますが、これは王様の側の嫉妬の膨らみを、王の側近の目で見つめ続けるという設定の話です。王は嫉妬のあまりひどく恐れているのに、逆にその現場をとっ捕まえたい、立ち会いたいという、かなり倒錯した思いに駆られてしまう。そこでわざわざトリスタンとイゾルデをある森の中へ行くように仕向け、側近と一緒に林檎の木の上に登って、上から二人の様子を見てやる。見たくないのに見てやろうという、嫉妬の極みだと思います。

木の戦い

木の戦い

タリエシン エクリ 2013

2013年にエクリから出版した本です。ウェールズ・ケルトの伝説の吟遊詩人タリエシンの詩で、六世紀頃、イギリスではアーサー王が活躍したと言われる年代のものです。アーサー王が亡くなったのが532年とか542年と言われていて、タリエシンは円卓の騎士には名前がありませんが、アーサー王に付き従ったと言われています。当時のケルトは文字を持たなかったとされるので、口承叙事詩です。

煙の樹Tree of Smoke

デニス・ジョンソン 白水社 2010

『煙の樹』(デニス・ジョンソン著)もまた、木林文庫を始めてから買い求めた本である。ベトナム戦争当時の米軍兵士、在留者、ベトナム人の物語に毎夜少しずつ栞を進めていったのは、読みづらかったからではない。

Der Nachtgärtner

Der NachtgärtnerThe Night Gardener

テリー・ファン、エリック・ファン 2016

ベルリンで見つけた絵本をもう一冊。これも絵が気に入って買いました。「NACHT GARTNER」、庭師なんだよね。GARTNER は庭師、NACHT は夜。ヨーロッパでは木を切っていろんな形にするでしょう。それをやる人の話です。

あるきだした小さな木

テルマ・ボルクマン 偕成社 1969

「木が動く」そのままのタイトルがついた童話が『あるきだした小さな木』(ボルクマン作/セリグ絵)。「自由と束縛と独立」と「訳者あとがき」にある。カバー袖に抜粋された新聞評には「家庭での過保護がとかく問題になる折りから、小さな木が両親のもとを離れて自分であるきだし………」と。

火炎樹

パトリック・グランヴィル 国書刊行会 1998

フランスの現代小説『火炎樹』(パトリック・グランヴィル著)は「樹」にからむタイトルから手に取った。フランボワイアン(火炎樹)と聞くと、私はゴシック教会の壁面装飾のことを思い浮かべてしまうが、深紅の花を咲かせる方の『火炎樹』は読みはじめてすぐに引きこまれた。

大きな木の家

大きな木の家

はらだたけひで 冨山房インターナショナル 2007

はらだたけひでさんは、ピロスマニをみんなに知らせることにずっと貢献してきた方です。岩波での映画公開などにも関わっていました。ピロスマニに捧げる詩に絵をつけた、素敵な本です。