木林文庫の棚にある本を、一冊ずつ記録しています。 書誌だけでなく、その本について館長と副館長が語ったことを添えました。
イラストレーションがとても綺麗で、淡い色合いです。いろんな種類の木の詩だったり説明だったりが入っている。
C.W.ニコルさんは黒姫に長く住んで日本語も達者でしたが、元々はウェールズの方です。ニコルさんと宮崎駿さんがなぜ対談しているかというと、ニコルさんは黒姫に自分で土地を購入してそこを守っていく、宮崎さんはトトロの森。二人とも樹木が失われていくことへの怒りがあり、悲しみがあり、危機感を持っている。それを共有して、自分たちも立ち上がらなくてはいけないし、みんなも共有してくれ、という結構熱い対談です。
世界のいろんな種類の木についての写真集です。地肌に近寄ってみたり、いろんな育ち方をしている木だったり。結構専門的だと思います。自然なのか細工なのかよく分からないものもある。木全般についての本ですね。
フランス語で木は Arbre。これも一字です。子どものための本らしく、一種のしかけ絵本になっています。種から芽が出て、大きな木になって、実ができる。マロニエでしょうか——栗のように見えますが、マロン(marron)でも食べられないほうです。木の一生、木の成長がこうやって展開していく。季節によって色が変わり、鳥がついばんでいく。
これはちょっと変わり種で、面白い装丁なので木林文庫の玄関に置いてあります。ムナーリはイタリア人ですが、「木」というこの漢字に出会ったとき、こんなにシンプルな形で木を表していて、見れば木だと分かることにとても感心したそうです。彼はデザイナーですから、そこからいろんなデザインの発想を考えていった。
ロシア語で木は дерево。副題が「スラブの建築彫刻における木」で、木造建築や木彫、木のスプーンといったものが論じられています。木の教会、木で作った民芸品、室内の調度。昔の揺り籠から棺桶まで、生活必需品をすべて木で作っていたということですね。
作っているのはエルメス財団です。「知ること 作ること」という総タイトルのシリーズで、これが第一冊目。この後に『土』が出ています。原題は le bois、つまり「木」ですね。
文が木島始さん、絵が佐藤忠良さん。佐藤忠良さんは、佐藤オリエさんのお父さんです。
木林文庫を始める前から持っていた本です。買った場所をなぜか覚えていて、学芸大学にかつてあった双葉書店——今は薬屋になってしまいましたが——その棚から手に取りました。面白そうだな、というだけの理由でした。
これも結構昔から持っていました。『民衆生活の日本史』というシリーズの中に、五行——木火土金水——の最初の「木(もく)」の巻があったので手に入れたものです。民俗学の方面から木について書いている。私はそういう歴史的な知識があまりないので、面白く読みました。
住まいの図書館出版局がいろんなシリーズを出していて、その中に『木』がありました。白洲正子さんは、作家としては文章がとっつきにくくて苦手だったんです。編集の仕事をしていた頃、白洲さんの本をやりませんかと声がかかったことがあって、ためらっていたら「ぜひ私にやらせてください」という人が入った。僕には荷が重かったかな、という感じもあります。
わりと最近入ってきた本です。著者の鈴木さんは専門が哲学の研究で、それもウィトゲンシュタインとキェルケゴール。私はどちらも難しすぎて退散してしまいました。その専門家が、哲学については全然書かずに小説を書いている。総題が『木』で、「杉」と「ブナ」という小説が入っています。