木

木のぼり男爵

木のぼり男爵Il barone rampante

イタロ・カルヴィーノ 白水社 1957

私は学芸大学の生まれで都会っ子の端くれですが、昔の家で庭に木はそこそこ生えていたので、木登りは結構好きでした。木登りの本といえば、代表はカルヴィーノの『木のぼり男爵』です。舞台はイタリア。主人公のコジモという少年が、料理に出されたカタツムリを食べるのが嫌で、絶対に食べないと言い張る。男爵家なので大きな領地に住んでいて、窓辺にその家の大きな木が迫っている。そこに飛び移って以来、死ぬまで木の上で生活し続ける男の話です。ファンタジーに分類されたりもしますが、描き方はものすごくリアルで、最後の最後まで文体が貫かれています。

ジョルジュ・サンド セレクション8 小さな愛の物語

ジョルジュ・サンド 藤原書店

ショパンとのマジョルカ島や男装の麗人という呼び名を知る前の高校一年生のとき、初めてサンドの小説「愛の妖精」を読んだ。わが師がプルーストの「花咲く乙女たち」を評した「淡々と溶ける砂糖菓子のような」という印象で、初心な少年はけっこう感激した。

木に登る王

木に登る王The King in the Tree

スティーヴン・ミルハウザー 白水社 2003

スティーヴン・ミルハウザーが三つの中篇小説を収めた本の中で、まさにその名の通り「木に登る王」の話を書いています。主題は「トリスタンとイゾルデ」とアーサー王、ここではマルク王です。「トリスタンとイゾルデ」は不倫の物語とされてオペラにもなっていますが、これは王様の側の嫉妬の膨らみを、王の側近の目で見つめ続けるという設定の話です。王は嫉妬のあまりひどく恐れているのに、逆にその現場をとっ捕まえたい、立ち会いたいという、かなり倒錯した思いに駆られてしまう。そこでわざわざトリスタンとイゾルデをある森の中へ行くように仕向け、側近と一緒に林檎の木の上に登って、上から二人の様子を見てやる。見たくないのに見てやろうという、嫉妬の極みだと思います。

煙の樹Tree of Smoke

デニス・ジョンソン 白水社 2010

『煙の樹』(デニス・ジョンソン著)もまた、木林文庫を始めてから買い求めた本である。ベトナム戦争当時の米軍兵士、在留者、ベトナム人の物語に毎夜少しずつ栞を進めていったのは、読みづらかったからではない。

火炎樹

パトリック・グランヴィル 国書刊行会 1998

フランスの現代小説『火炎樹』(パトリック・グランヴィル著)は「樹」にからむタイトルから手に取った。フランボワイアン(火炎樹)と聞くと、私はゴシック教会の壁面装飾のことを思い浮かべてしまうが、深紅の花を咲かせる方の『火炎樹』は読みはじめてすぐに引きこまれた。

木々は八月に何をするのか

レーナ・クルーン 新評論 2003

『木々は八月に何をするのか』はフィンランドの現代作家クルーンの短編集で、書名を含む七つの短編で構成されている。「木々は八月に何をするのか、花の知識はどこにあるのか、時の時計は何か」と矢継ぎ早に突きつけられた質問とともにボタニカル・ガーデンを踏み迷う青年。「植物の神秘生活」を巡る探究の、異界への旅行記とも云うべき寓話だ。

樅の木は残った

山本周五郎 新潮社 1969

『樅の木は残った』は江戸時代前期の史実「伊達騒動」において、悪玉の権化とされてきた家老の原田甲斐を主人公に据えた、400頁を超える文庫が三冊の長編。お家内の確執に矮小化されてきた事件の真は、雄藩伊達を改易させて盤石の体制を築こうとする徳川幕府中枢と仙台藩との息詰まる暗闘にあったとするのが山本周五郎の捉え方である。

ブンナよ、木からおりてこい

水上勉 三蛙書房 1980

カエルも木にのぼる。水上勉の長編童話、『ブンナよ、木からおりてこい』は舞台で上演され、アニメーション映画にもなっているので、物語を知っている人は少なくないかもしれない。私も舞台の録画をテレビで見たのが初めだったように記憶している。

白樫の樹の下で

青山文平 文藝春秋 2011

『白樫の樹の下で』は若手俳優を配したTVの青春時代劇を思わせるストーリーである。「自分さがし」などという逃げ道をあらかじめ封じられていた時代の鬱屈や縛りは感じられず、剣道場帰りの下級武士の青年たちは部活帰りの高校生みたいに見える。若者の振る舞いは爽やかで、恋路は苦い。青春物は脇目もふらず息つかず一気に読み通すのが良い。

契丹伝奇集

契丹伝奇集

中野美代子 日本文芸社 1989

中野美代子さんの『契丹伝奇集』にも、木に妙なものが生る、結構怖い話があります。契丹はモンゴルのあたりでしょうか。その中に、ワクワクの木という名前の木の話が書かれています。

ポプラの秋

湯本香樹実 新潮社 1997

『ポプラの秋』は湯本香樹実の小説。少女とお婆さんものとなれば、すべてはお婆さんの造形、存在感にかかってくる。「千と千尋の神隠し」の湯婆婆や『西の魔女が死んだ』(梨木香歩著)のおばあさんのように、それぞれの流儀で少女たちに生きていくためのエクササイズを施すのだ。『ポプラの秋』のお助け婆さんは、ポパイのように顎のしゃくれた取っ付きの恐ろしげな、心優しいポプラ荘の大家さん。

静かな木

藤沢周平 新潮社 1998

『静かな木』は藤沢の遺作短編集とされる単行本で表題作を含め三作が収められている。藤沢周平の書いた木と云えば『漆の実のみのる国』で、上杉鷹山が逼迫した藩財政を建て直す方策として植えさせたハゼの木だ。

燃ゆる樹影

藤田宜永 角川書店 2009

『燃ゆる樹影』(藤田宜永著)の帯に「恋愛小説の白眉」とある。「うーん、白眉か」と二の足踏んで躓きかけたが、主人公の男が樹木医という設定なので読み進む。本書の冒頭近くで描写される、主人公の治療作業の様子は専門家に取材した手順をなぞっているような印象があるけれど、後半の枝垂桜の手当てでは息遣い手際が生き生きと伝わってきた。

木登り豚

又吉栄喜 カルチュア出版 1996

又吉栄喜著の『木登り豚』は芥川賞受賞作『豚の報い』の原点と位置づけられる作品らしい。創作ノートに記したアイデア・会話・情景を書き改めている途中の第一稿といった印象だが、粗い構成を荒々しく突き抜けて沖縄の光が漲り、白昼夢が炙り出される。

木

木

鈴木祐丞 未知谷 2025

わりと最近入ってきた本です。著者の鈴木さんは専門が哲学の研究で、それもウィトゲンシュタインとキェルケゴール。私はどちらも難しすぎて退散してしまいました。その専門家が、哲学については全然書かずに小説を書いている。総題が『木』で、「杉」と「ブナ」という小説が入っています。

森

魔女の森

魔女の森

C.W.ニコル

『魔女の森』という同じタイトルの本が並びます。C.W.ニコルさんと司修さん、それに宮迫千鶴さんの『魔女の森へ』、梨木香歩さんの『マジョモリ』。タイトルだけ見るとまるで区別がつきませんが、もちろん内容は全く違います。司修さんのほうは文も絵もご自分で、版画の作品で非常に綺麗です。ニコルさんのほうは自伝ではないけれど、元々ウェールズにいた頃の話で、面白いですよ。

妖怪の森

妖怪の森My Life in the Bush of Ghosts

エイモス・チュツオーラ 1954

アフリカにも妖怪の話があって、ナイジェリアのチュツオーラです。『遠野物語』ではないけれど、言い伝えを元に話を膨らませる。妖怪といってもおどろおどろしいというより、だまくらかすくらいのイメージで、読んでいて面白い。文字通り Bush of Ghosts ですから、森の幽霊ですね。

もう森へなんか行かない

エドゥアール・デュジャルダン 都市出版社 1971

物憂げに囁くような彼女の歌声は、数十年前の自分が漠然と思い描いていたパリに似合っていた。その声の主、フランソワーズ・アルディのアルバムに「もう森へなんか行かない」と題する曲が入っている。この曲と同名の本『もう森へなんか行かない』(E・デュジャルダン著)があるのを、那須塩原の素敵な古書店「白線文庫」に教えてもらった。

ワーニャ伯父さんДядя Ваня

チェーホフ 1897

チェーホフの『ワーニャ伯父さん』という戯曲がありますが、あれは元は『レーシー』——森の主、森の精霊というタイトルで最初に書かれたものを改作したのだそうです。レーシーだとひねり過ぎている感じがあったのでしょうか。

密林の語り部

マリオ・バルガス=リョサ 新潮社 1994

ラテン・アメリカ文学を手に取るようになったのは、私もまたガルシア・マルケスの『百年の孤独』の魔術に震撼興奮させられてからだ。

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたちWatership Down

リチャード・アダムズ 評論社文庫 1972

木を切ったり木々の周辺を汚したりすることへの告発、という点で思い出したのが『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』です。農薬ではないのですが、捨てられたタバコが毒になって土地を汚染し、うさぎたちも被害を被って困るという話。なんとか将軍というのがタバコを捨てるシーンがあります。

入らずの森

宇佐美まこと 祥伝社 2009

森はいつでも誘惑と排除の双面神だが、「森へなんか行きたくない」と思わせる恐怖小説の一つに『入らずの森』(宇佐美まこと)がある。

オババの森の木登り探偵

オババの森の木登り探偵

平野肇 小学館 2006

これは文字通り木登りです。分厚い本ですが、木登りなので買って読んでみたら、このオババの森というのが、私たちがしょっちゅう散歩している、サレジオ教会の少し手前にある古い地主さんの家のことなのです。相続人が特定されず、恐らく何十年も放りっぱなしになっている。たぶんその頃に書かれた本で、今は管理会社が入って清掃だけはされていますが、跡継ぎは見つからないままあの状態です。茂りまくっている頃に、そこへ忍び込んでみようという話。同じ地元の話なので、興味を持って買った本です。「あれから二十数年、東京の高級住宅地に残る屋敷森は」とあって、あちらの方は高級住宅地とされています。この辺の碑文谷・鷹番とは違って。タイトルは少し洒落たお話です。

林檎

林檎の木の下でThe View from Castle Rock

アリス・マンロー 新潮社 2007

『林檎の木の下で』(アリス・マンロー著)は「木」との関わりからではなく、小池昌代さんの書評に呼ばれて読んだ一冊。「狐の書評」で知られた山村修さんと小池さんの書評が私は好きだ。二人の言葉はいつも静かな誘惑で、読みたくなる本がこんなにもあるという高揚感に導いてくれる。引用は的確で美しい。

どんぐり

木を植えた男

木を植えた男L'homme qui plantait des arbres

ジャン・ジオノ 彩流社 1953

『木を植えた男』という話がありますが、何の木を植えているかなど考えたこともなくて、読み直してみたらドングリなんですね。

薔薇

薔薇の名前

薔薇の名前Il nome della rosa

ウンベルト・エーコ 1980

文学というと、タイトルからすると最初に浮かぶのは『薔薇の名前』でしょう。でもこれは薔薇そのものの話ではない。何で薔薇なんだっけ、すごく面白かったのに内容を忘れてしまった——僕もそうなんです。この分厚い二巻本を二人とも一気に読んでいるのに。

星の王子さま

星の王子さまLe Petit Prince

サン=テグジュペリ 1943

一輪の薔薇というと最初に浮かぶのが『星の王子さま』です。最初に星にいる時、薔薇が一輪だけあって、ものすごくわがまま。「私は世界に一本よ」と言って、風邪をひくから風が吹いた時は囲ってとか、注文ばかり多い。わがままな女性の象徴のような薔薇で、それでも一生懸命お水をあげるんですね。

19本の薔薇

19本の薔薇Nouăsprezece trandafiri

ミルチャ・エリアーデ 1980

エリアーデの『19本の薔薇』も意味深長です。エーコと同じで、エリアーデもルーマニアの宗教学者。執筆を主にしていたのはチャウシェスクが独裁をふるっていた時期で、最後にはフランスに亡命します。その政治的な背景がすごく含まれていて、『19本の薔薇』というのも象徴的です。

マルテの手記Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge

リルケ 1910

リルケには薔薇の詩集もありますが、有名なのは自分の墓碑に薔薇の言葉を入れてくれと頼んだという話です。墓碑だから短い。「薔薇よ おお、純粋な矛盾 夥しいまぶたの奥で 誰の眠りでもないという喜び」。純粋な矛盾、というのが不思議です。

不思議の国のアリス

不思議の国のアリスAlice's Adventures in Wonderland

ルイス・キャロル 筑摩書房 1865

ルイス・キャロルはオックスフォードの数学科で、当時トップ首席だったそうです。そのままクライストチャーチの数学講師になっている。学長のリデル家に三姉妹がいて、ボート遊びをしたときに自分で作った物語を聞かせた。それが『不思議の国のアリス』の元になった話で、主人公にアリスという名前をつけたら、次女のアリスがとても喜んだ。それで手書きの本を送ったと言われています。

リュシェンヌに薔薇を

リュシェンヌに薔薇をFour Roses for Lucienne

ローラン・トポール 1967

本としてはタイトルから『リュシェンヌに薔薇を』。書いたのはローラン・トポール、フランス語で書く作家で、出自はポーランドでしょうか。一時すごく評判になって、どういう話か分からなくて読みました。フランス語で書いてあるのに、このタイトルだけ英語になっているんです。

椿

牛をつないだ椿の木

牛をつないだ椿の木

新美南吉 金の星社 1946

日露戦争・日清戦争のころの話で、まだ田舎では牛や馬を引いて荷物を運んでいた時代です。そこに椿の木があって、牛や馬を繋いでおくと葉を食べられて枯れてしまう。それがもとで木を植え替えるという童話です。読んだあと、これは教科書に採用されて感想文を書かされるんだろうな、と思うような内容でした。

椿と花水木

椿と花水木

津本陽 読売新聞社 1994

『椿と花水木』は中浜・ジョン万次郎の伝記小説である。万次郎の生涯を貫く日米の友情と愛の象徴として椿と花水木(ドッグウッド)の二本の花木が上げられており、作者は万次郎に「男の子ならドッグウッド。女の子ならカミーリア(椿)じゃ」と云わせて、こう書いている。「万次郎はアメリカと日本でもっともなつかしい樹の名をひとつずつ告げた」

散り椿

散り椿

葉室麟 角川文庫 2012

葉室麟の小説は割と好きで、全部が時代小説です。名前のとおり生き様が凛としていて、流されない。藩の抗争に巻き込まれるという時代小説のパターンなのですが、その中でも自分を律してどちらにも流されない。

椿宿の辺りに

椿宿の辺りに

梨木香歩 2019

梨木香歩さんは不思議なタイトルを付ける方です。カバーの絵も古代の海幸彦・山幸彦を使っていて、登場人物の名前もそう。いかにも古事記っぽいタイトルなのですが、場所は大和のあたりかと思ったらそうでもなく、シュロの木が生えているような土地を訪ねていく。

柿

木練柿

あさのあつこ 光文社 2009

『バッテリー』の著者あさのあつこが書いた時代小説『木練柿』。恥ずかしながらルビ(こねりがき)なしでは読めないタイトルだ。シリーズの三作目から読んでしまったせいなのか、この短編からは主人公の人物設定がつかみきれない。というより、無理にこねられたように見えてしまう。しかしそれは、第一作目を読んでから判断すべきだろう。

柿の木のある家

壺井栄

『柿の木のある家』は童話作家、壺井栄の短編である。代表作と云われる『二十四の瞳』も木下恵介の映画で見ただけで、壺井の作品をはじめて読んだ。ここに登場する柿が大好物のおじさんの様子はちょっとM君を髣髴させる。みかん、桃、なし、ぶどう、いちじく、あんずと、たくさんの木がこのおじさんの庭では育てられているのに、何故か柿の木が植わっていないのだ。この童話で描かれている子どもたちの心映え、家族や親族とのやりとり、そして風景などは私たちから失われて久しいことのように思われた。「お話」であって、ノスタルジーはないからだ。

ライラック

ライラック・バス

ライラック・バスThe Lilac Bus

メイヴ・ビンチー 青山出版社 1984

まさにライラックバスというので、珍しいと思って手に入れてもらいました。自分でバスを仕立てて、ダブリンで働いている同じ村の人たちを毎週土曜の五時半頃に集めて、夜十時前に着くように送り届ける。その中に毎週同じ人が乗ってくる。

リラの頃、カサブランカへ

リラの頃、カサブランカへ

小川国夫 1972

リラの本は木林文庫に何冊かありますが、その一冊が文字通り『リラの頃、カサブランカへ』。小川国夫の初期も初期で、彼は自分でこの本のことを捨て石だと書いています。習作以前の習作くらいの位置づけらしい。

リラの花咲くけものみち

リラの花咲くけものみち

藤岡陽子 光文社 2023

藤岡陽子の『リラの花咲くけものみち』は、題にリラの付く小説として木林文庫に置いてある一冊です。北海道の、獣医さんの話でしょうか。テレビドラマにもなったのかもしれません。

オリーブ

三つの冠の物語

三つの冠の物語Heather, Oak & Olive

ローズマリー・サトクリフ 1972

オリーブの出てくる小説もあります。ローズマリー・サトクリフの少年向けの物語『三つの冠の物語』です。

庭

桜の園Вишнёвый сад

チェーホフ 1904

平凡な人々の生活に潜む人生の綾を見つめたチェーホフは「ぼくは文学者にならなかったら、園芸家になっていた気がします」と手紙に書いているほど、自分の住む領地に、嬉々としてこまめに木を植えた人であったという。

猫の木

猫の木のある庭

猫の木のある庭

大濱普美子 河出文庫 2023

『猫の木のある庭』という短編集があります。猫が生まれるという話です。大濱普美子さんという方で、泉鏡花賞を受けています。泉鏡花賞は幻想小説に授けられる賞なので、この短編集もちょっとホラーじみたところがあります。

そのほか

ガウェインと緑の騎士

ガウェインと緑の騎士

J.R.R.トールキン 原書房

円卓の騎士でもう一人有名なのがガウェインで、アーサー王の甥にあたります。物語としては荒唐無稽ですが、『指輪物語』のトールキンがまとめている『ガウェインと緑の騎士』があります。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

プロジェクト・ヘイル・メアリーProject Hail Mary

アンディ・ウィアー 2021

最近二人とも読んで面白かった三冊のうちの一つです。アメリカのSFで、最後が特に良かった。妻は読んでいないと言い張るのですが、読んだはずです。結末は、言ってしまうとまずいので書きません。

ナジャ

ナジャNadja

アンドレ・ブルトン 1928

シュルレアリストのアンドレ・ブルトンが書いた『ナジャ』も、うちに二冊あります。ブルトンでいちばん気になっている言葉は、ナジャと出会って間もない頃に彼女が言う一言です。——その星が心臓を持っていない一つの花の心臓のようなものだってこと、あなたにはお分かりにならないわね。——この言葉にブルトンが衝撃を受ける。いろんな人が引用する、とても印象的な言葉です。

ホフマニアーナ

アンドレイ・タルコフスキー エクリ

うちで出した『ホフマニアーナ』のアンドレイ・タルコフスキーは、父がアルセーニイ・タルコフスキーという詩人です。正式にはアンドレイ・アルセーニエヴィチ・タルコフスキー。ロシアの名前は、ファーストネームとファミリーネームの間に父称が入ります。

異常

異常L'Anomalie

エルヴェ・ル・テリエ 2020

エルヴェ・ル・テリエの『異常』はフランスのSFです。タイトルのとおり不思議な作りで、こういう作り方もSFにあるのかと思いました。

大理石の断崖の上で

大理石の断崖の上でAuf den Marmorklippen

エルンスト・ユンガー 岩波書店 1939

単語では、なぜか「断崖」という言葉が好きです。エルンスト・ユンガーはドイツの作家で、ドイツ軍がパリを占領していたときの司令官だった人ですが、特に裁判にかけられずに済みました。その彼の『大理石の断崖の上で』は不思議な小説で、このタイトルを知ったとき、すぐに求めた一冊です。

フィネガンズ・ウェイクFinnegans Wake

ジェイムズ・ジョイス 1939

私が読んでいるアリスの翻訳は柳瀬尚紀さんのものです。柳瀬さんには、広報誌「えるふ」で河合隼雄さんと対談していただいたことがあります。特集が翻訳で、ちょうど柳瀬さんがジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を翻訳中だったので、その話が中心でした。アイルランドの話で、河合先生もちょうどアイルランドを旅された後だったので。

ソラリスの陽のもとに

ソラリスの陽のもとにSolaris

スタニスワフ・レム 1961

私たちはSFと思わずに読んでいた本です。タルコフスキーの『惑星ソラリス』の原作だと言われて、映画を観る前に読みました。映画とは内容が全然違っていて、レム自身は変えられてしまったとクレームを出したそうです。原作も映画も、どちらも面白い。

中二階のある家

中二階のある家Дом с мезонином

チェーホフ 1896

ロシア語が好きになって、大学は自ずとロシア語学科へ行きました。文学科ではないので、社説や天声人語を日本語からロシア語に訳すようなことをたくさんさせられましたが、チェーホフは短編が多いので、短編を訳す授業もありました。その中に『中二階のある家』があります。

父と子Отцы и дети

ツルゲーネフ 1862

チェーホフの『中二階のある家』のような、ロシアの美しい風景の中で若い女性に心を寄せる話は、ツルゲーネフの『父と子』にもあったでしょうか。ロシア文学にはそういうものがいっぱいあります。

カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟Братья Карамазовы

ドストエフスキー 1880

木林文庫では以前、館長が愛読書を三冊挙げる回をやりました。そのとき私は、長編だから後ほど、と言ったのです。それほど長編を読んでいるわけではないのですが、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』とプルーストの『失われた時を求めて』を二回読んだと言ったので、長編が好きだと思われたのかもしれません。

ドストエフスキー全集

ドストエフスキー全集

ドストエフスキー ナウカ(Наука) 1971

これがドストエフスキー全集です。ロシア語で読みたいと思って、一冊ずつお小遣いを貯めて買いました。1971年に出始めて、ちょうど大学に入った頃です。全30巻を長い時間をかけて揃えました。

戦争と平和Война и мир

トルストイ 1869

好きなのはトルストイなんです。『戦争と平和』は訳を代えて読んだりもしました。ドストエフスキーとほぼ同時代で、チェーホフ、ツルゲーネフと一塊ですね。

青い花Heinrich von Ofterdingen

ノヴァーリス 1802

青い花だとそのままのタイトルで、ノヴァーリスの『青い花』があります。あれは幻の花なのですが、ノヴァーリスの文章のほうが、埴谷雄高に比べたらずっと分かりやすい。

判決

判決Das Urteil

フランツ・カフカ 1913

婚約が破棄されてしまったフェリーツェに捧げられた『判決』という短編があります。なぜ内容的に彼女に捧げられたのか、よく分かりません。

田舎医者

田舎医者Ein Landarzt

フランツ・カフカ 1919

短編でよく読まれるものに『田舎医者』があります。村に一軒しかない医者が呼び出しを受けるけれど、馬車が壊れて馬もいなくなっている。どうしようもないので小屋のドアを開けると、その瞬間もう患者の家の前に来ていた。これも夢の構造です。

流刑地にて

流刑地にてIn der Strafkolonie

フランツ・カフカ 1919

カフカの作品は夢の構造で読めるものが多いのですが、『流刑地にて』は、語る主体が夢見る人ではなく探検家なので、目線は客観的です。それでいて、お話全体は完全に悪夢の構成になっています。

審判

審判Der Process

フランツ・カフカ 新潮社 1925

一番夢の構造に近いものの一つが『審判』です。犯罪を犯していると言われて収監されるのに、自由に勤め上げている。罪を犯しつつ勤めているという妙な状況で、最後には殺されてしまう。判決は出ているのに、判決を告げられた主人公は自由に働いて日々暮らしている。

アメリカ

アメリカAmerika

フランツ・カフカ 新潮社 1927

映画化された作品に『アメリカ』があります。もう一つ『火夫』という釜焚きの話のタイトルもある。なぜ映画化したのか理由がよく分かりません。アメリカに着いて港に入るまでの、船の中だけの話なんです。故郷——チェコでしょうか——で女中さんに子どもを産ませてしまって、両親にアメリカへ追いやられる青年の話で、上陸する前の船での話だけ。どうやって映画化したのか、そのモチベーションも分からない。一度観てみたい不思議な短編です。

城

フランツ・カフカ

カフカの一番の長編で、未完だとも言われる『城』があります。測量のために城のある町にやってくるのですが、どうしても城に入ることができない。村の人たちの記述で「城に住んでいる人たちはよく眠ってばかりいます、長い間眠っている人たちなんです」というのがあって、考えようによっては、城の中に住んでいる人の夢が村の人たちの生活なんじゃないかと思うくらい、村の生活も奇妙です。彼らが夢から覚めないから城の中に入れないんだ、という構造かなと思ったりします。

変身

変身

フランツ・カフカ

カフカの作品は夢の構造で読めるものが多い。『変身』もそこそこの長さがありますが、最後の最後まで夢の中で苦しんで、最後は家族に蔑ろにされた上に殺されてしまう。夢が悪夢のまま終わるという話です。

夢

夢

フランツ・カフカ

『夢』と題した短編があります。書き出しがまさにそれで、「ヨーゼフ・Kは夢を見た」で始まる。天気が良かったので散歩しようと思った、そう思ってほんの二歩歩き出したばかりだというのに、もう墓地に来ていた。

車輪の下Unterm Rad

ヘルマン・ヘッセ 1906

僕らが学生の頃——五十数年前、六十年ぐらい前ですが——ドイツ文学のヘッセは割とポピュラーでした。山小屋クヌルプを開いた松浦さんたちの時代はもっと前、戦前ですけれど。特に『車輪の下』は必読書というか、必ず五本の指に入る作家でした。時代が少し下がった我々でも、ヘッセは必ず読んでいた。代表作というと『車輪の下』、それに『デーミアン』ですね。晩年には『庭仕事の愉しみ』や水彩画もあります。ナチスの時代はスイスに亡命していました。出自はユダヤ人ではないけれど、書いたものはリベラルな部分が多いので、ドイツ国内にはいられなかったし、いたくもなかったのでしょう。ノーベル賞を受けたのは戦後です。

クヌルプ

クヌルプ

ヘルマン・ヘッセ

松浦さんはヘッセが好きで、『クヌルプ』が好きだったから、この山小屋にクヌルプという名前を付けたんです。

日々の泡

日々の泡L'Écume des jours

ボリス・ヴィアン 1947

ボリス・ヴィアンが1947年に書いた小説です。私が読んだのは二十代半ばくらい。これは1972年の版ですが、何回も読んでカバーがボロボロになっています。読んだ当時、40年代に書かれたとは思えないくらいで、パリの今がこういう感じなんだろうという錯覚の中で読んでいました。

ドクトル・ジバゴ

ボリス・パステルナーク

パステルナークの『ドクトル・ジバゴ』はノーベル賞を受けましたが、反祖国的と言われて辞退させられました。最初の翻訳はあまり良くないという話があって、後に改訳されています。うちで出したアルセーニイも同じ時代に、神秘的すぎるといった理由で出せなかったりした。

失われた時を求めてDu côté de chez Swann

マルセル・プルースト 1913

妻はプルーストの『失われた時を求めて』も二回読んでいます。二回読むというのは、好きじゃなければできません。——好きだったけどね。——けれど一回読んだらヘトヘトですよ。読み通した人だってそんなにたくさんいないんですから。

鏡の国のアリス

鏡の国のアリスThrough the Looking-Glass

ルイス・キャロル 筑摩書房 1871

『鏡の国のアリス』にはトゥイードルディーとトゥイードルダムという双子のような奇妙な二人が出てきます。その一人がアリスに向かって、傍らで昼寝をしている王様を見て「この王様が目を覚ましたら、あんたどこにいると思う? 君はこの王様の夢の中にしかいないんだ。王様が目を覚ましたら君は消えちゃうんだ、蝋燭みたいに」と言う。アリスはもちろん「消えないわ」と言うのですが。

第九軍団の鷲The Eagle of the Ninth

ローズマリー・サトクリフ 1954

ケルトのドルイドについては実はあまりよく分かっていないのですが、以前観た映画に『第九軍団の鷲』がありました。原作は少年少女向けの歴史小説を書いているローズマリー・サトクリフです。ローマ軍の五千人ほどの軍団が姿を消してしまうという史実があって、歴史書にも残っているけれど、どこへ行ったか見つからない。サトクリフはこれに物語を付けて、消えた軍団の軍団長だった息子が父の行方を探しに行く設定にしています。

三人の女

三人の女Drei Frauen

ローベルト・ムージル 河出書房新社 1924

『木に登る王』と全く同じ、やはり嫉妬に駆られる話があります。こちらは木ではなく城壁に登る。それも、敵を寄せ付けないために造られた、ものすごく切り立った城塞です。ドイツの作家ローベルト・ムージルの中編集『三人の女』に「ポルトガルの女」という話があって、それがこの話です。舞台は神聖ローマ帝国の時代で、あちこちで群雄割拠している。その領主の一人で、戦えば傷を負うけれども必ず敵を倒していく豪気な男が、あるとき城の近くの野原で寝ていて、この本ではハエに刺されたと書いてあるのですが、私は誤訳ではないかと思っていて、蚊か毒虫ではないか。とにかく刺されて何日も高熱が続き、戦に出るどころか甲冑も着られない状態になる。そこへ領主の妃であるポルトガルの女のもとに、ポルトガルから幼馴染が訪ねて来ている。二人ともとても若く、奥方が楽しそうなので彼は放っておくのです。

チボー家の人々

ロジェ・マルタン・デュ・ガール

高野文子の『黄色い本』は、マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』のことです。五巻本くらいで、表紙が全部黄色に統一されている。それで高野文子は「黄色い本」として描いている。

ウィチャリー家の女

ウィチャリー家の女The Wycherly Woman

ロス・マクドナルド 早川書房 1961

『ウィチャリー家の女』は本当に面白かった。——君に力を貸してもらえれば探し出せるさ。青年は驚いた顔をした。どうも物事にすぐ驚く性質であるらしい。——この一言でその青年がどういう性格かが分かる。

さむけ

さむけThe Chill

ロス・マクドナルド 早川書房 1964

ロス・マクドナルドを読むようになったのは、シナリオ学校の田村孟さんに言われたからです。私のシナリオを読んだ田村さんが、フォークナーを読めと言い、同時に、フォークナーが『アブサロム、アブサロム!』の中で「is は was の総体である」——現在は過去の集積である——と書いている、それがロスマクのミステリーにはそういう書き方で出ているから読んでみなさい、と。読んでみたら確かに面白くて、チェーンスモーカーならぬチェーンリーディングという感じで次々に読みました。

ドルの向こう側

ドルの向こう側The Far Side of the Dollar

ロス・マクドナルド 早川書房 1965

ロス・マクドナルドのファンなら誰もが挙げるベスト3——『さむけ』『ドルの向こう側』『ウィチャリー家の女』——の一冊です。木林文庫には七冊が残っています。数年前から断捨離をしていて、ミステリーもSFもほとんど処分したのですが、ロス・マクドナルドだけは残してあります。

一瞬の敵

一瞬の敵The Instant Enemy

ロス・マクドナルド 早川書房 1968

ロス・マクドナルドのベスト3(『さむけ』『ドルの向こう側』『ウィチャリー家の女』)の次の3として挙げられることが多い一冊で、今回初めて読みました。ただ残念ながら、私には人間関係がゴタつきすぎていて読みづらかった。推理小説はそういうものですが、それにしても、と。登場人物の一覧に何度も戻りました。ロシア文学は平気だったのですが。

地中の男

地中の男The Underground Man

ロス・マクドナルド 早川書房 1971

ロス・マクドナルドを読むようになったのは、シナリオ学校の時の田村孟さんに勧められたのがきっかけです。ハヤカワ・ミステリで最初に読んだのがこの『地中の男』で、ここから続けざまに読み続けました。

アレクサンドリア四重奏

アレクサンドリア四重奏The Alexandria Quartet

ロレンス・ダレル 1957

私が読んだ長編は、ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』——アレクサンドリア四部作です。一冊一冊に主人公の名前が出ていて、ジュスティーヌ、バルタザール、マウントオリーブ、クレア。エジプトのアレクサンドリアを舞台にした物語です。

夢十夜

夢十夜

夏目漱石 新潮社

二人のお気に入りの三冊を挙げようという回です。私の三冊は年によって変わったりしますが、どんな時にも必ず挙げるのが漱石の『夢十夜』です。

注文の多い料理店

宮沢賢治

アリスについて言及している人を二つだけ挙げます。一つは宮沢賢治で、これを知った時は意外でした。『注文の多い料理店』の広告ビラに書かれた文章です。

行隠れ

行隠れ

古井由吉 河出書房新社 1972

古井由吉の比較的初期の作品です。冒頭の一行——「その日のうちに姉はこの世の人ではなかった」。姉と弟の、近親相姦に近いような心の動きを描いた小説ですが、この一行が読んだときからずっと気になって、いつまでも残りました。

ドグラ・マグラ

夢野久作 1956

夢野久作の『ドグラ・マグラ』も未完なのですが、非常に不思議な、奇作とも言われる作品です。最初のほうにブーンブーンという奇妙な音が響いているシーンがあって、『城』で電話の受話器の向こうからブンブン聞こえてくるところが、なぜかそれを思い出させました。

三体

三体

劉慈欣 2008

中国のSFと聞いただけで不思議な気がしましたが、面白かった。木林文庫にいらっしゃる方にも読んでいる人が多いですね。なぜここに置いてあるかというと、『暗黒森林』というサブタイトルの巻があるからです。それで木の棚に置いてあります。

その他の小説の本

  •  砂漠の林檎河出書房新社 2023
  • J・D・サリンジャー倒錯の森荒地出版社 1968
  • アラン・シリトー燃える樹集英社 1972
  • アレハンドロ・サンブラ盆栽/木々の私生活白水社 2013
  • アン・パチェット密林の夢State of Wonder早川書房 2014
  • イーデス・ハンソン花の木登り協会講談社 1976
  • ウィリアム・メインりんご園のある土地岩波書店 1969
  • エイモス・チュツオーラ妖怪の森の狩人The Wild Hunter in the Bush of the Ghostsトレヴィル 1993
  • エドガー・アラン・ポーエドガア・アラン・ポオ全集 4春秋社
  • エリザベス・スパイアーズエミリ・ディキンスン家のネズミThe Mouse of Amherstみすず書房 2007
  • エリナー・ファージョンリンゴ畑のマーティン・ピピンMartin Pippin in the Apple Orchard岩波書店 1972
  • オラシオ・キローガ南米ジャングル童話集Cuentos de la selva葉っぱの坑夫 2017
  • キャロリン・シャーウィン・ベイリーミス・ヒッコリーと森のなかまたちMiss Hickory福音館書店
  • クロード・シモンアカシアL'Acacia白水社 1995
  • ゴーゴリディカーニカ近郷夜話
  • ジョーン・エイキンねむれなければ木にのぼれ岩波書店 2010
  • ジョルジュ・ランブールヴァニラの木白水社 1976
  • チェーホフかわいい女Душечка
  • デボラ・フォーゲルアカシアは花咲く松籟社 2018
  • トルーマン・カポーティ夜の樹新潮社 1970
  • トレイシー・シュヴァリエ林檎の木から、遠くはなれてAt the Edge of the Orchard柏書房 2017
  • フェレイラ・デ・カストロ大密林A Selva彩流社 2001
  • フランツ・カフカカフカ短篇集岩波書店 1987
  • ヘルマン・ヘッセデーミアンDemian
  • ヘレン・オートンリンゴ園のミステリーMystery in the Apple Orchard学研 1972
  • マーガレット・マーヒー魔法使いのチョコレート・ケーキ福音館書店 1984
  • ミラ・ローベリンゴの木の上のおばあさん学習研究社 1969
  • モーリス・ドリュオンみどりのゆびTistou les pouces verts岩波書店
  • ルイス・スロボドキンりんごの木の下の宇宙船The Space Ship Under the Apple Tree
  • レオ・ペルッツどこに転がっていくの、林檎ちゃんWohin rollst du, Äpfelchen筑摩書房 2018
  • ロアルド・ダールおばけ桃が行くJames and the Giant Peach評論社
  • 乙川優三郎椿山文藝春秋 1998
  • 夏目漱石吾輩は猫である
  • 角田光代ツリーハウス文藝春秋 2010
  • 岸田るり子白椿はなぜ散った文藝春秋 2011
  • 吉永南央オリーブ文藝春秋
  • 宮川ひろ木のぼり公園あかね書房 1970
  • 宮尾登美子寒椿中央公論社 1977
  • 金井美恵子既視の街新潮社 1980
  • 古井由吉哀原文藝春秋 1977
  • 古井由吉明けの赤馬福武書店 1985
  • 今井絵美子綺良のさくら角川春樹事務所 2015
  • 今江祥智リンゴの木の下で理論社 1989
  • 今西祐行りんごとバイオリン講談社 1986
  • 山田太一ふぞろいの林檎たち大和書房 1983
  • 須賀しのぶまた、桜の国で祥伝社 2016
  • 星新一どんぐり民話館新潮社 1983
  • 清岡卓行アカシヤの大連講談社 1982
  • 清岡卓行夢を植える講談社 1976
  • 浅田次郎姫椿文藝春秋 2001
  • 早瀬詠一郎櫻 平家夜話PHP研究所 2004
  • 村上政彦ハンスの林檎潮出版社 2006
  • 知野みさき落ちぬ椿光文社 2016
  • 中島京子オリーブの実るころ
  • 朝吹真理子きことわ新潮社 2011
  • 朝吹真理子流跡新潮社 2010
  • 辻原登花はさくら木朝日新聞社 2006
  • 渡辺淳一桜の樹の下で朝日新聞社 1989
  • 藤堂志津子アカシア香る新潮社 2001
  • 柏葉幸子りんご畑の特別列車講談社 1989
  • 薄井ゆうじ樹の上の草魚講談社
  • 平川弥太郎白藪椿文芸社
  • 木村友祐海猫ツリーハウス集英社 2010
  • 木谷恭介津軽りんご園殺人事件光風社出版 1995
  • 壺井栄リンゴのふくろ大日本図書 1968
  • 澤田ふじ子木戸の椿角川文庫