新刊のお知らせ——「みどりのみち ひかりのはな」

日々雑記
新刊のお知らせ——「みどりのみち ひかりのはな」

エクリで出版してきた書籍は、どの本も企画段階から完成まで、長い時間がかけてきました。
「みどりのみち ひかりのはな」も発案は十数年前です。

導き手となったのは、フランスの児童文学「みどりのゆび」。

美術家、勝本みつるは古い図鑑や雑誌の写真、使われなくなった道具などからのブリコラージュで、新たな思いがけない装いをつくり出します。少しずつ送られてきた言葉もまた胸躍るものばかりでした。

編集者の仕事は待ち続けることだったけれど、十年の熟成を一冊に籠めることが叶いました。

勝本みつる(かつもと みつる)
美術家、滋賀県生まれ。 
古い印刷物、時を経て使われなくなった道具、布や毛皮や箱などを素材に、
オブジェ、コラージュ、アッサンブラージュを制作。書籍の装画の仕事も多い。
作品集に『study in green 緑色の研究』(月兎社、2008)などがある。

勝本みつるは「みどり」に魅せられた美術家です。
20年近く前に刊行された作品集は「study in green/緑色の研究」と題されていました。

その勝本みつるが特別な思いを寄せてきたフランスの童話『みどりのゆび』に導かれて、本書はつくられています。

『みどりのゆび』は触れるだけで、あらゆる植物や場所、さらには大砲にまで花を咲かせてしまう少年チトと庭師ムスターシュの物語。
天使だったチトを勝本みつるはコラージュと文で再生させています。

コラージュの材料は多岐にわたる。海外のアンティーク、百年以上前の印刷物、古着、生家の蔵などから取り出された品々が標本箱の中に細やかに配さています。
そこからは懐かしさと異世界の魅惑がたちのぼってくる。
そしてコラージュ作品に添わせた言葉は、物たちの来歴を辿りながら見えるものの向こうを透視しているかのようです。
ものに触れながら飛躍していて、それは詩の言葉というより夢の言葉だと思われます。