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訳者が付けたタイトル、『ロシアの自然誌』の原題は「ロシアの暦」。ロシア関係の本を読むにあたって、ロシアの季節を巡る自然―樹や花や草、動物の生態を知識として持ちたい、という動機からだったが、森と水の詩人、プリーシヴィンがいざなうロシアの大自然に一気に惹きこまれ、ロシアの森の涼気のなかで、酷暑の夏をしばし忘れた。
ゴーリキーはプリーシヴィンについて「あれはね、生活じゃない、聖者伝そのものなんだ」と言ったという。
処女作『森と水と日の照る夜-北ロシア民俗紀行』(原題「愕かざる鳥たちの国」)を世に送ったことにより、北方は作家、詩人プリーシヴィンの揺籃の地となったのである。
ロシア文学者、詩人である訳者、太田正一が、プリーシヴィンへのオマージュとして膨大な日記類から編訳した『森の手帖』には、森のロシアと人々の暮らしと生涯共にした詩人のポエジーが凝縮されている。