もう一つ本を挙げるコミックが、玉川重機さんの『草子ブックガイド』です。草の子と書いて草子(そうこ)。作者の名前は、親のやっていた会社が玉川重機という会社だったので、跡は継がないけれどその名前を使わせてもらって、同じ字で玉川シゲキと読ませているそうです。
草子は中学生の女の子で、古本屋に入り浸り、学校では図書館にいて授業はほとんど聞いていない。両親は美大の同級生で一緒になったけれど、父が全然売れず働かないので、母は呆れて出て行ってしまった。父は飲んだくれている、という設定です。
お金がないので古本屋で一冊抜いて持って帰ってしまう。でも万引きとは違って、読み終わると持って帰った本に自分の感想を書いた栞を挟んで、元のところに戻してくる。それがブックガイドです。手伝いの男の子が現場を見つけて捕まえようとすると、店主が「いやいや、これは万引きじゃない。必ず後で戻しに来るし、そこに挟まれているブックガイドが僕は楽しみなんだ」と言う。
彼女はいろんな本を抜いていきます。ロビンソン漂流記、井伏鱒二、内田百閒。西行の『山家集』も。古本屋の主人は「この子は西行好きなんだ」と言って、西行棚を作ってすぐ目に付くところに置いてあります。
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