日本の森の怖い話というと『遠野物語』です。幽霊が出てくるというより、暗い森を歩いているとなんとなくもののけが憑いたような気がする、不思議な目に遭う、というのが中心です。
木林文庫チャンネル「世界の森の妖怪」
白眉とは云わず、私にとっての指折りの恋愛小説の一つはボリス・ヴィアンの『日々の泡』なのだけれど、樹との愛の話の白眉は『遠野物語』にある。文庫本で1頁足らずの話だ。少女と樹にコミュニケーションがあったかどうかは分からない。しかし愛があったことは疑いようがない。「天気のよい日には今でも水の底に、羽の生えたような大木の姿が見えるということである」と結ばれる悲しい愛の話だ。
館長のコラム「樹のお医者さん」より
