今日は木林文庫のコミックの話をします。まず萩尾望都さんの『山へ行く』に入っている「柳の木」という短編です。これは木林文庫の本の中でもオールタイムベストスリーに入ると思っています。すごく良い話で、いらっしゃる方に時々お薦めすると、とても悲しい話なので涙ぐむ方もいます。
「柳の木」のことを木林文庫の冊子に書いたことがあります。——後半の五ページ分までの絵は、すべて川べりに生える一本の柳の木の下に佇む若い女性である。彼女はそこで、堤の上を行くただ一人を見ている。晴れやかに、時に不安げな眼差しで。
——心を残す、という言葉が浮かぶ。人の悲しみは、ある時ある所ある一人に心を残すことに発しているのだろう。「柳の木」を読むたびにこの言葉を思い、いつも初めてのように悲しみが流れる。——何度読んでも胸が熱くなって、目頭に何かが浮かんできてしまう、不思議な話です。
木林文庫チャンネル「樹と人を描いた名作漫画」


