カフカ

マルト・ロベール 宮川淳訳 晶文社 晶文選書 14

マルト・ロベール『カフカ』宮川淳訳 晶文選書14。帯に「きみと世界の戦いでは世界を支援せよ——画期的なカフカ像を示しアンガジュマン文学の終焉を告知した名著」

映像学校の先生が薦めてくれたもう一冊が、マルト・ロベールという人のカフカ論でした。全く知らない人でしたが、面白いよと。

カフカはプルーストと同じくらい、二十世紀の作家の中でいろんな人が評論しています。ヘッセ、トーマス・マン、ベンヤミン、カミュ、ブルトンも挙げている。面白いのはアインシュタインがトーマス・マンに宛てた手紙で、「私は彼を読むことができませんでした。人間精神は彼を理解するに足るほど込み入ってはいません」と書いている。

トーマス・マンがカフカについて書いた文章も興味深い。「東ヨーロッパのノヴァーリスのように見えるとはいえ、カフカは私の考えではロマン派でも清らかな詩人でも神秘家でもない。ロマン派というには彼はあまりにも精緻で、あまりにもレアリストで、現世における単純で自然な行動にあまりにも結びつけられすぎている。清らかな詩人というには、彼はあまりにもコミックなもの、風変わりで極めて込み入ったコミックな趣味を持ちすぎている」。コミックだ、というのが面白い表現です。

「この夢想家のノスタルジーは、神秘な王国のどこかに咲く青い花へ向かうのではなく、陳腐さの悦楽に向かうのであった」。ノヴァーリスを超えているような存在だ、という見方をしていますね。

木林文庫チャンネル「カフカと夢」

この本と結びついている本

青い花ノヴァーリス

トーマス・マンはカフカを「東ヨーロッパのノヴァーリスのように見える」と評し、「神秘な王国のどこかに咲く青い花へ向かうのではなく」と書いた。その青い花がノヴァーリスの作品