日本では渋沢孝輔の『薔薇 悲歌(エレジー)』。すごく豪華な本で、浮き彫りが入っていて、薔薇のデッサンがあります。この絵も、それにこの字も瀧口修造なんです。瀧口修造はもちろん自分で詩も作品も絵も描く人ですが。
『絶巓の薔薇』と読むんだそうです。すごく難しい。「冷えた迷宮を巡り 絶巓の薔薇を思え とその人は言い 一組の享保雛を遺して その人は逝った」。亡母追悼と書いてあるから、お母さんへの追悼の詩ですね。享保雛というお雛様が出てくる、とても大時代な。
『白日の薔薇』のほうがまだ分かるかな。「どんな白日の眩暈の中でなら そんなにも深く燃える色を見せて咲く 薔薇の狂おしい秘密が明かされるというのか 誘いながら拒み 拒みながら引き寄せ包み込む 十重二十重への破りようもない旋律よ この上もない華麗さを 含羞の素振りでまぎらし」。やっぱり難しい。
木林文庫チャンネル「薔薇の本」 36:12 / 36:37 / 37:56