好きなのはトルストイなんです。『戦争と平和』は訳を代えて読んだりもしました。ドストエフスキーとほぼ同時代で、チェーホフ、ツルゲーネフと一塊ですね。
ロシア語は登場人物の名前が長いとよく言われます。ファーストネームとファミリーネームの間に父称——父の名前——が入る。アンドレイ・タルコフスキーなら、父がアルセーニイなので、アンドレイ・アルセーニエヴィチ・タルコフスキーが正式です。父称と名前で呼ぶ時もあれば、アンドレイだけの時もある。それに愛称形があって、アレクサンドルはサーシャ、マリーナはマーニャ。それを全部覚えるのが嫌になると言われますが、私は覚えるのが楽しかった。アンドレイ・ヴォルコンスキー、ピエール・ベズーホフと、セットでちゃんと覚えています。
木林文庫チャンネル「副館長の愛読長編(前編)」