口をきくカポックの木

アフリカ民話集

編訳 永田逸郎 みすず書房 1976

文字通りのタイトル『口をきくカポックの木』(アフリカ民話集)には、口承・語り物の魅力に充ちた話が20篇収められている。表題はセネガル共和国のもので、間抜けで小狡いハイエナ(ブーキー)がウサギ(ルーク)にやりこめられる展開。語りもの特有の繰り返しはあるが、小話としては滅法面白い。

カポックの木は自分に近づき話しかけようとする動物たちに枝(腕)を振り下ろしてぽかりぽかりと殴り倒してしまうのだ。アフリカの村々での語りは火を囲んでおこなわれたそうだ。夜闇の下でカポックの枝ぶりはいかにも殴りかかってきそうに思えただろう。

館長のコラム「口をきく木をみつけたら」より