レールモントフの小さな詩『葦』もうちで出しました。宇野亜喜良さんの絵で。不遇で亡くなったところに葦が生えて、それが葦笛となり、ある漁師が葦笛を作って吹いてみると、亡くなった女性の声で語り出す。呼び起こすということですね。
そのあと、十九世紀終わりから二十世紀にかけてのアンナ・アフマートヴァという詩人も『葦』という詩を書いています。スターリン時代で、息子も夫も逮捕されている。『葦』は怨念が葦笛になって語り出すという東洋の伝説からきているので、そのタイトルでは出せなかった。権力側にもすぐ分かることですから。
プーシキンやレールモントフの時代は、詩人にとって金の時代と言われていました。そのあと、アンナ・アフマートヴァ、パステルナーク、ツヴェターエワ、マンデリシュターム——獄死したり、収容所に行かされて病死したり、自殺したり、銃殺されたり。そういう時代をくぐり抜けてきた人たちの、銀の時代という詩人の時代があります。私たちもそれを結構本にしてきました。
木林文庫チャンネル「ライラックの詩」
