ベアトリーチェは恋の象徴のように絵になっていて、一番有名なのがロセッティです。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティといって、ダンテという名前が付いているんですね。ダンテの肖像画は残っていますが、ベアトリーチェは残っていないので、みんな想像で描くわけです。
これについて舟越保武さんが書いているのをこの間見つけました。「こんな女性が私の前に現れたら、どんな気がするだろうか。この人はどんな声で話すだろう。その頬に手をふれると、生きた温もりはなく、それでいて死者の冷たさでもない、幻想の息吹が伝わって来るような、妖しい魔力をこの女性は持っている」——彫刻家の文章です。
木林文庫チャンネル「薔薇の本(前編)」 4:45 / 5:29
