行隠れ

古井由吉 河出書房新社

古井由吉『行隠れ』河出書房新社

古井由吉の比較的初期の作品です。冒頭の一行——「その日のうちに姉はこの世の人ではなかった」。姉と弟の、近親相姦に近いような心の動きを描いた小説ですが、この一行が読んだときからずっと気になって、いつまでも残りました。

この言葉をもとに、自分で書いた小説の習作にも使ったことがあります。「姉さんについて行くのは嫌ではないと思う。風は吹き募って姉の身体に絡んでいた」という書き出しです。何十年も前に読んだ本ですが、今でも残っています。

木林文庫チャンネル「生涯忘れられない言葉」 0:12 / 0:34