紫の伝説

古川益三

古川益三『紫の伝説』
同・背

高齢の老人と一緒に住んでいる女の子の話で、老人が弱っていき、最期に遺言のように残す言葉があります。——にんげんはこれからうまれてしぬことをくりかえしてなにになるのでせうか。ひとはむらさきをさがしているのでせうが、いつでもそのかはりをみつけ、まんぞくしてしんでいきます。だからどんなにいっしょうけんめいになっても、どこかにさみしさがのこるのかもしれません。

いつも代わりのものしか見つけられない、ということがすごく気になりました。探していて、見つけたと思うけれども、それは代わりのものに過ぎない。でもそれで満足していくのが人間だよ、という書き残しです。

木林文庫チャンネル「生涯忘れられない言葉」 1:23 / 2:19