椿と花水木

万次郎の生涯

津本陽 読売新聞社 1994年

津本陽『椿と花水木 万次郎の生涯』上下巻

椿の本は時代小説が多いのですが、その中で時代小説としてぎりぎりの一冊です。ジョン万次郎の伝記小説。土佐の漁師だった彼は遭難して無人島に流れ着き、アメリカの船に助けられます。そこからが語学の天才で、船長に気に入られてアメリカの学校に入り、ゼロから始めたのに首席で卒業する。

なぜこのタイトルかというと、彼がアメリカで結婚したとき、男の子が生まれたらドッグウッド——ハナミズキ、女の子だったらカメーリア——椿にしよう、と決めていたからです。結局子どもは生まれませんでしたが。帰国後は薩摩の島津斉彬に重用され、和親条約のときには通訳を務めます。話としてもとても面白く読みました。

木林文庫チャンネル「ツバキの本」 4:06 / 4:51