写真家の上田義彦さんが、同名の映画『椿の庭』を撮っていて、その気に入った場面をスチール写真にした写真集です。葉山の、海の見える古い木造家屋に住む女性の話で、まもなくその家を手放すという直前の物語。映画は観ていないのですが、この写真集を見て、観たら素晴らしかっただろうなと思いました。
鎌倉もよく行きますが、細い道が多くて歩くと暗い。その中に椿があると、確かに目を引きます。暗い中に浮かび上がる。この写真を見ると、椿には怪しげな光もある。私たちが好きなハナミズキだと咲くのを待ちますが、椿は咲いたと思ったときにはもう落ちている。だから待って憧れて、ということがなくて、見方が偏ってしまうのかもしれません。
こういう撮り方をしていると美しい。妖艶、という言葉が合うかもしれません。改めて見ると、この写真集は本当に素晴らしい。再発見でした。

