絵本や童話以外の林檎の本で一番気になったのが、この一冊です。「たとえ明日世界が滅びることを知ったとしても、私は今日林檎の木を植える」——マルチン・ルターの言葉と言われている、有名な言葉ですね。
著者は、この言葉を本当にルターが言ったのかどうかを、かなり綿密に調べています。ルターは言行録がきっちり残っているのでそれを全部探して、なおかつ聖書のどこかに触れた言葉があるのではないかと調べる。結論から言うと、見つからなかった。
副題が「格言の起源と戦後ドイツ人のメンタリティー」。つまりこの言葉はルターの時代にはなくて、その後にもなくて、実は第二次世界大戦後のドイツ人の贖罪意識のようなものに関わるのではないか、という視点で書かれています。結論は出せないと言っていますが、内容としては非常に面白かった。
木林文庫チャンネル「りんごの本」
