西遊妖猿伝

諸星大二郎

諸星大二郎『西遊妖猿伝』10 人参果之巻。大樹に人の形をした実がぶら下がる表紙

ワクワクの木と似たような物語が『西遊記』にもあります。旅の途中に子どもの生っている木があって、その実はとても不思議な実です。中国ですから単位がものすごく長くて、三千年かけて花が咲き、次の三千年で実が生って、熟するのにまた三千年かかる。約一万年かけてようやく食べられる実になるのですが、ひとたび食べると四万六千年ほど長生きするという実です。

三蔵法師がある寺を訪ねると、偉いお坊さんだというので「これをどうぞ召し上がりください」と出される。ところがその実は、ワクワクの木と同じように人間の形をしている。そんな人の赤ん坊を食べるなんてとんでもない、と三蔵法師は食べるのを拒むのですが、猪八戒と沙悟浄と孫悟空は勝手に採って食べてしまう。生っているのは赤ちゃんですから、人参果という名前が付けられています。

諸星大二郎さんの『西遊妖猿伝』にも「人参果之巻」があって、そこに赤ん坊が生っている絵が描かれています。結構恐ろしい話ですが、それを平気で食べようとする変なやつがいる、という物語になっています。

諸星大二郎『西遊妖猿伝』13 析易居士之巻

木林文庫チャンネル「おかしな木」

中野美代子『契丹伝奇集』にある、赤ん坊が実になって生るワクワクの木と似たような物語が、『西遊記』にもあります。旅の途中に子どもの生っている木があって、その実はとても不思議な実です。中国ですから単位がものすごく長くて、三千年かけて花が咲き、次の三千年で実が生って、熟するのにまた三千年かかる。約一万年かけてようやく食べられる実になるのですが、ひとたび食べると四万六千年ほど長生きするという実です。

木林文庫チャンネル「樹と人を描いた名作漫画」

この本と結びついている本

契丹伝奇集中野美代子

『契丹伝奇集』のワクワクの木は赤ん坊が実になって生る木で、『西遊妖猿伝』の人参果もまた人の形をした実。館長はこの二つを並べて語っている。