たった一本の木を植え育てるのも素敵なことだ。『希望の木』(カレン・リン・ウィリアムズ/リンダ・サポート絵)は、子どもが生まれると臍の緒を実の生る木の種といっしょに植える習慣があるというハイチの話。
少年ファシールは生まれてきた妹のために木を贈りたいと考える。自分のためにお父さんがマンゴーの木を植えてくれたように。
お話の行方はいささか安易に思えるけれど、ヤギに食べられてしまったり、雨に流されてしまったりと何度も何度も失敗を繰り返してしまい、悄然と立ち尽くしているファシールの絵は胸に響く。
わが家でも三人の子供たちの誕生樹を区の公園に植えてもらったが、三か所とも早いうちに無くなってしまっていた。苗木の植樹はそんなにも歩留まりが良くないものなのか。
三本ともというのは愉快な話ではない。とはいえ、ファシールのように日々気にかけなかった我々も思いが足りなかったのだろう。幸い、義父が庭に植えてくれた記念樹は毎年見事な花をつけている。
館長のコラム「木を植える人たち」より