くまの木をさがしに

佐々木マキ 教育画劇 2012

佐々木マキ『くまの木をさがしに』(教育画劇)。クマのぬいぐるみを抱えて帰る女の子の表紙

木に妙なものが生ってしまうという話には、子ども向けのものもあれば古い言い伝えもあって、いろいろな種類があるのが楽しいのですが、その一冊が佐々木マキさんの絵本『くまの木をさがしに』です。可愛らしくて、もともと佐々木マキの絵本は好きなのですけれど、これは特に気に入っています。

きのこちゃんという女の子が、自分の誕生日のお祝いに熊のぬいぐるみが欲しいと思って、誕生日の神様に手紙を書く話です。

お手紙がとても可愛らしいので、そこだけ読んでみます。——誕生日の神さま。私は今度の誕生日に、可愛いクマのぬいぐるみが欲しいです。でも、いくら皆が可愛いと言っても、私が可愛いと思えないクマは嫌です。世界一可愛いと思えるクマをください。どうぞお願いします。失礼しました。きのみ・きのこ。

「皆が可愛いと言っても、私が可愛いと思えないクマは嫌です」というところがなかなか可愛くて、そういう文章はなかなか書けないなと思います。

その手紙を出すと、誕生日の神様からちゃんと返事が来て、ぬいぐるみがたくさん生っている所への地図が付いている。地図に従って山道を辿っていくと、ぬいぐるみがどっさり生った木のところに辿り着いて、すごく可愛いと思うクマのぬいぐるみを持って帰りました、という。とても楽しい絵本です。

木林文庫チャンネル「おかしな木」

この本と結びついている本

猫の木のある庭大濱普美子

木に妙なものが生る話の一つが、埋めた猫を肥やしにして伸びた木を描く『猫の木のある庭』。館長はその話の続きとして、ぬいぐるみの生る木の絵本『くまの木をさがしに』を持ち出している。

りんごのきにこぶたがなったらアーノルド・ローベル

どちらも木に生るはずのないものが生る絵本。『くまの木をさがしに』はぬいぐるみが、『りんごのきにこぶたがなったら』は子豚が生る。

着物のなる木若松賤子

どちらも、子どもが欲しがったものが木に生る話。「着物のなる木」では前掛けが、『くまの木をさがしに』ではクマのぬいぐるみが生る。