『ボンバストゥス博士の世にも不思議な植物図鑑』は、その名の通り、完全に想像上の変な実を集めた本です。いろいろな木が出てくるのですが、さきほどの綿の木ではないですけれど、綿からできた羊毛でできた靴下が生っている木、といったものが想像されています。
その一つに、ロウソクが生っている木や、「栓コルクガシ」があります。コルクガシは実際にあって、そこから皮を剥いでワインなどのコルク栓を作るのですが、こちらはわざわざ木の皮を剥ぐ必要がなくて、シャンパンの蓋が実として生っているという絵になっています。
文章も愉快なので読んでみます。——栓コルクガシ。シャンパンの製造業者に珍重される、独特の形のドングリがなるコルクガシ。コルクガシの枝で子ども時代を幸福に過ごしたドングリたちが、窮屈な瓶の口に押し込まれ、醸造所の寒くて暗い蔵で忘れ去られていくのを嫌がるのは無理もない。それゆえ機会が巡ってくると、ドングリたちは特徴のある歓声と共に外に飛び出し、中には憂さ晴らしに、人の眼を目掛けて飛んでいく恨み深いドングリもある。
シャンパンの栓をドングリと名付けているわけですが、抜くと確かに、ポーンととんでもない方に飛んでいくことがあります。それがいっぱい生っているという木の話ですね。
木林文庫チャンネル「おかしな木」
