13冊
ライラックの詩ですぐ思い浮かぶのは、エリオットの『荒地』の中にある「四月は残酷な月」です。死んだ土からライラックを呼び出し、記憶と欲望をないまぜにし——と続く。イメージとしては死と結びついている。
うちがアルセーニイ・タルコフスキー詩集『白い、白い日』を出したすぐ後に朗読会をやりました。ロシア語で読んでもらって、日本語も達者なロシアルーツの方で、歌手だったから声が素晴らしく、リズム感もあって、読む力が抜群でした。三十分ほどずっとロシア語でタルコフスキーの詩を、いくつもいくつも読んでいただいた。
ロシアへ行った時に買ってきた画集です。この中のライラックの絵に惹かれました。
ヴルーベリの挿画による『デーモン』をエクリで出しました。ロシアへ行った時にヴルーベリの画集を買ってきて、『デーモン』を出すときはもちろんデーモンの絵なのですが、その前にとても惹かれたのがライラックの絵でした。一人の女性が座っていて、ライラックの花に囲まれている。
まさにライラックバスというので、珍しいと思って手に入れてもらいました。自分でバスを仕立てて、ダブリンで働いている同じ村の人たちを毎週土曜の五時半頃に集めて、夜十時前に着くように送り届ける。その中に毎週同じ人が乗ってくる。
『ライラック通りのぼうし屋』(安房直子)は、今では花が咲かなくなって久しいライラック並木に店をかまえる年老いた帽子屋が主人公の童話である。ある晩、羊が訪ねてきて、自分の毛を刈ってできるだけたくさんの帽子をつくってもらいたいと注文するのだ。不思議な話の起こし方に黙ってついて行く。面白そうなので、どんどんついていきたくなる。
リラの本は木林文庫に何冊かありますが、その一冊が文字通り『リラの頃、カサブランカへ』。小川国夫の初期も初期で、彼は自分でこの本のことを捨て石だと書いています。習作以前の習作くらいの位置づけらしい。
埴谷雄高に『内界の青い花』というタイトルのものがあります。この青い花がリラを指しているかは分かりませんが、この本を見た時、青い花と言うとすぐリラを思いました。
藤岡陽子の『リラの花咲くけものみち』は、題にリラの付く小説として木林文庫に置いてある一冊です。北海道の、獣医さんの話でしょうか。テレビドラマにもなったのかもしれません。
恋人たちの逢瀬とライラックの花房が分かちがたく結ばれている作品に、萩尾望都のコミック『ゴールデンライラック』がある。といっても、はじめの出会いはまだ幼い二人だ。