10冊
まさにライラックバスというので、珍しいと思って手に入れてもらいました。自分でバスを仕立てて、ダブリンで働いている同じ村の人たちを毎週土曜の五時半頃に集めて、夜十時前に着くように送り届ける。その中に毎週同じ人が乗ってくる。
文字通りのライラックで『ライラック通りのぼうし屋』。岩崎書店で、文章は安房直子さんです。安房直子さんの童話は他にも読んでいて良いと思うのですが、これは内容と絵が今ひとつマッチしないと感じます。なぜこの絵なのかな、と今回見ても思う。
『リラの花咲くけものみち』。北海道の話で、獣医さんの話でしょうか。テレビになったのかもしれません。
うちがアルセーニイ・タルコフスキー詩集『白い、白い日』を出したすぐ後に朗読会をやりました。ロシア語で読んでもらって、日本語も達者なロシアルーツの方で、歌手だったから声が素晴らしく、リズム感もあって、読む力が抜群でした。三十分ほどずっとロシア語でタルコフスキーの詩を、いくつもいくつも読んでいただいた。
そのあとヴルーベリの『デーモン』をうちで出しました。ロシアへ行った時にヴルーベリの画集を買ってきて、『デーモン』を出すときはもちろんデーモンの絵なのですが、その前にとても惹かれたのがライラックの絵でした。一人の女性が座っていて、ライラックの花に囲まれている。
埴谷雄高に『内海の青い花』というタイトルのものがあります。この青い花がリラを指しているかは分かりませんが、この本を見た時、青い花と言うとすぐリラを思いました。
ロシアへ行った時に買ってきた画集です。この中のライラックの絵に惹かれました。
コミックが一つだけあります。これはリラではなくライラックで、萩尾望都さんの『ゴールデンライラック』。絵自体はいかにも少女漫画風で、目の大きな少年少女がライラックの花の中から顔を出して追いかけっこをしている。
リラの本は木林文庫に何冊かありますが、その一冊が文字通り『リラの頃、カサブランカへ』。小川国夫の初期も初期で、彼は自分でこの本のことを捨て石だと書いています。習作以前の習作くらいの位置づけらしい。
ライラックの詩ですぐ思い浮かぶのは、エリオットの『荒地』の中にある「四月は残酷な月」です。死んだ土からライラックを呼び出し、記憶と欲望をないまぜにし——と続く。イメージとしては死と結びついている。