8 / 13
埴谷雄高に『内界の青い花』というタイトルのものがあります。この青い花がリラを指しているかは分かりませんが、この本を見た時、青い花と言うとすぐリラを思いました。
藤岡陽子の『リラの花咲くけものみち』は、題にリラの付く小説として木林文庫に置いてある一冊です。北海道の、獣医さんの話でしょうか。テレビドラマにもなったのかもしれません。
恋人たちの逢瀬とライラックの花房が分かちがたく結ばれている作品に、萩尾望都のコミック『ゴールデンライラック』がある。といっても、はじめの出会いはまだ幼い二人だ。
木林文庫を始めた頃、わりと最初の段階で教えてもらった本です。林檎の本を探しているという話をしたら、『Apples and Olives』というのがありますよ、と。良い写真集です。モノクロですが。
オリーブの出てくる小説もあります。ローズマリー・サトクリフの少年向けの物語『三つの冠の物語』です。
『オリーブの贈り物』という本には、オリーブに関わる人がいっぱい出てきます。育てている人、オリーブ畑をやっている人、小豆島の人。オリーブを使った料理のレシピもあるし、お店の人も、植物を輸入する人もいる。
オリーブは聖書にまず出てきます。ノアの時のオリーブの葉、キリストが最後の話をするゲッセマネ——橄欖山、つまりオリーブ山です。だからもっといろんな本があるのかなと思ったのですが、意外に少ない。冊数はそれぞれあるけれど、「これぞお薦め」というものが僕の範囲では見当たらなかった。
平凡な人々の生活に潜む人生の綾を見つめたチェーホフは「ぼくは文学者にならなかったら、園芸家になっていた気がします」と手紙に書いているほど、自分の住む領地に、嬉々としてこまめに木を植えた人であったという。
ますむらひろしさんの『アタゴオルは猫の森』は漫画です。この方はとても猫好きで、なおかつ宮沢賢治の作品がとても好きな方です。
『樹のうえで猫がみている』は、やまだ紫という漫画家の詩画集です。木林文庫について書いた冊子の中でも、自分の気に入ったタイトル——タイトルが面白い本として、この一冊を挙げています。
『猫の木のある庭』という短編集があります。猫が生まれるという話です。大濱普美子さんという方で、泉鏡花賞を受けています。泉鏡花賞は幻想小説に授けられる賞なので、この短編集もちょっとホラーじみたところがあります。
先日の林檎の回で、猫の木のコーナーもあるという話をしました。林檎やドングリに比べると冊数は少ないのですが、好きな本が何冊かあります。その一冊が長田弘さんの絵本『ねこのき』。絵は大橋歩さんです。
詩人の北村太郎が『樹上の猫』というエッセイ集を出しています。一冊全部が猫の話ではなくて、中の一編が木の上の猫のことを書いている。とても短い話です。
ますむらひろしさんは宮沢賢治が好きで、猫がいつも作品に出てくるので、『銀河鉄道の夜』をジョバンニもカンパネルラも猫にして描いた漫画があります。それを元にして作られたのが、この『銀河鉄道の夜』という映画です。
円卓の騎士でもう一人有名なのがガウェインで、アーサー王の甥にあたります。物語としては荒唐無稽ですが、『指輪物語』のトールキンがまとめている『ガウェインと緑の騎士』があります。
コミックの中で語られている本について。一冊目は『古本屋台』。設定がとても風変わりで、普通は酒やラーメンの屋台が夜に出てくるわけですが、これは古本を並べて屋台を引っ張っている親父さんの話です。
『白い、白い日』のためには、タルコフスキーの妹さんに、その本を出す許可を得るために行きました。「アルセーニイ(タルコフスキー)を出すよ」という話をしていて、許可はすぐ、喜んでと言って出してくださった。
パリにムフタール街という、有名な市場のある通りがあります。坂道で、狭いけれどもいろんなお店がある。カルチエ・ラタンから比較的近いので、僕らも結構歩きました。その坂の上の方にある、フランス語の教室で教えてもらったお店で見つけました。
最近二人とも読んで面白かった三冊のうちの一つです。アメリカのSFで、最後が特に良かった。妻は読んでいないと言い張るのですが、読んだはずです。結末は、言ってしまうとまずいので書きません。
シュルレアリストのアンドレ・ブルトンが書いた『ナジャ』も、うちに二冊あります。ブルトンでいちばん気になっている言葉は、ナジャと出会って間もない頃に彼女が言う一言です。——その星が心臓を持っていない一つの花の心臓のようなものだってこと、あなたにはお分かりにならないわね。——この言葉にブルトンが衝撃を受ける。いろんな人が引用する、とても印象的な言葉です。
アリスに関わる本の中では、まったく毛色の違う一冊があります。アンドレ・ブルトンの『黒いユーモア選集』です。いろんな著作から自分が気になった箇所を抜いた本で、この中にルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』が引用されています。選ばれたのは「海ザリガニのカドリーユ」、ロブスターの踊りです。
うちで出した『ホフマニアーナ』のアンドレイ・タルコフスキーは、父がアルセーニイ・タルコフスキーという詩人です。正式にはアンドレイ・アルセーニエヴィチ・タルコフスキー。ロシアの名前は、ファーストネームとファミリーネームの間に父称が入ります。
モスクワで、古書店が並ぶ通りを友達に教えてもらって、グーグルマップで訪ねました。その頃『葦』とか、うちのエクリの本を出すために、その著者の本を探していたのね。
たくさんの木を植え続けた実在の女性の話が『ワンガリー・マータイさんとケニアの木々』(ドナ・ジョー・ナポリ)と『八〇万本の木を植えた話』(イ・ミエ)の二冊である。