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まるで同じタイトルの本が並びます。C.W.ニコルさんと司修さん。もちろん内容は全く違います。ニコルさんのほうは自伝ではないけれど、元々ウェールズにいた頃の話で、面白いですよ。
司修さんは文も絵もご自分で書いています。版画の作品で、非常に綺麗です。
『魔女の森』『マジョモリ』『魔女の森へ』——タイトルが全部そっくりでね。それぞれ個性は違うし、内容ももちろん違うのですが。
アフリカにも妖怪の話があって、ナイジェリアのチュツオーラです。『遠野物語』ではないけれど、言い伝えを元に話を膨らませる。妖怪といってもおどろおどろしいというより、だまくらかすくらいのイメージで、読んでいて面白い。文字通り Bush of Ghosts ですから、森の幽霊ですね。
日本では渋沢孝輔の『薔薇 悲歌(エレジー)』。すごく豪華な本で、浮き彫りが入っていて、薔薇のデッサンがあります。この絵も、それにこの字も瀧口修造なんです。瀧口修造はもちろん自分で詩も作品も絵も描く人ですが。
四月の末に、うちの新しい本の展示をするので白金へ行った時、途中の道に一輪だけ薔薇が咲きかけていました。それを見て、やっぱり薔薇は綺麗だなと。普通の家の垣根で、それも一輪だけ、ちょっとピンクがかった白い薔薇でした。
『薔薇ぐるい』の別冊として、薔薇の詩を集めたアンソロジーがあります。
読んであげた絵本で強く印象に残っているのは、佐野洋子さんの「100万回生きたねこ」です。100万回生きて100万回死んでも死ななかった猫が、初めて恋をして、白猫と仲良くなって、子どももたくさん産んで——その白猫が死んだとき、それまで自分を飼ってくれた人が亡くなっても泣いたことがなかったのに、ここで初めて泣きました、というところ。このページに来ると、どうしても声が詰まってしまうんです。さっきも孫に読んでいて胸が詰まりました。
ドイツの森というと、フリードリッヒです。暗い森。これは一人ではなく人が一緒にいるところですが、やっぱり暗い森の中。とにかく彼の絵は全体が暗い森で、どれを見ても陰鬱です。
一番古い絵本の記憶が、これです。英語版なんですが、部屋を整理しても、身辺整理しても、模様替えしても、断捨離しても、これだけは捨てられずに取ってあります。70年前のものです。
以前、気に入っている本のタイトルとして「イアラ」を挙げました。奈良時代、大仏の鋳造で人柱にされた女性が、銅を流されて亡くなる寸前に「イアラ」と聞こえる叫び声をあげる。それを耳にした恋人の男が、あれは何の意味だったのかと探し続けるうちに、永遠の生命を持ってしまう話です。
これは本当に面白かった。——君に力を貸してもらえれば探し出せるさ。青年は驚いた顔をした。どうも物事にすぐ驚く性質であるらしい。——この一言でその青年がどういう性格かが分かる。
ロシアへ行った時に買ってきた画集です。この中のライラックの絵に惹かれました。
子どもにせがまれて読んだ絵本は、ロシア語のものが2、3冊しかありません。その一つがこの「おだんごパン」です。ロシア語ではコロボック。おじいさんとおばあさんが丸いパンを作ると、コロボック、コロボックとリズムよく転がって逃げていく。いろんな動物に食べられそうになっては、またね、と逃げていって、最後はキツネがオオカミの鼻の上に乗せて、素晴らしいと言ってパクリと食べてしまう。可愛らしいお話です。子どもたちは喜んでいました。
木林文庫は木の本を集めていますが、木林文庫を始める前から持っていた木に関わる絵本は、自分で買ったものとしては1冊しかありませんでした。それがヤーノシュの「おばけリンゴ」です。子どもたちに読んであげるために買ったもので、みんな好きですね。
大きな木というタイトルの本は「木」一字と同じくらいあるのですが、印象に残っていて今でも時々読み返すのがこの一冊です。絵も文も佐野洋子さん。家に大きな木があるおじさんが、何にでも文句をつける。鳥が来るとうるさくて朝寝られない、覚えていろよ。洗濯物が乾かない、覚えていろよ。ハンモックで昼寝すると毛虫が落ちてくる、覚えていろよ。とうとう切り倒してしまいます。
貧しい男の子が、カーニバルにみんなが素敵な服を着て集まる中で、着ていく服がない。お母さんに作ってと頼むけれど布が足りなくて、友達がそれぞれ端切れを持ってきてくれて、カラフルな服ができあがる——という話です。悲しいけれど楽しいお話で、子どもがとても好きでした。幼稚園の運動靴バッグにこの刺繍をしましたし、本人も紙粘土でカーニバルの男の子、ハーレキンを作っていました。
円卓の騎士でもう一人有名なのがガウェインで、アーサー王の甥にあたります。物語としては荒唐無稽ですが、『指輪物語』のトールキンがまとめている『ガウェインと緑の騎士』があります。
オーウェルというと僕には『カタロニア讃歌』です。カタルーニャの戦線に義勇軍として参加して、喉を撃たれる。それでも奇跡的に助かる。
「カニツンツン」も、タイトルの軽い感じが元永さんらしい一冊です。谷川俊太郎さんとは結構お仕事をされていました。
マダガスカルの話です。絵もこの方が描いていて、実際にあの辺に住んでいらした。木林文庫にもいらっしゃいました。怪物といっても特に悪いことをするわけではないんです。
グアテマラの作家アストゥリアスの伝説集です。「火山の伝説」という話の書き出しがこうです。——六人の男が「樹の国」に住みついた。風に運ばれてきた三人と、川を流れてきた三人である。そのうち姿が見えたのは三人だけで、あとの三人は水のなかに隠れており、風に運ばれてきた男たちが山から水を飲みに降りてきたときにのみ、彼らの姿を見たのである。——「六人の男が樹の国に住みついた」。いい書き出しだと思います。
松浦さんはヘッセが好きで、『クヌルプ』が好きだったから、この山小屋にクヌルプという名前を付けたんです。
木林文庫にある本です。この中に The Battle of the Trees という言葉が出てきて、それに出会った時、妻と一緒に大喜びして「これはエクリの本だね」と言いました。エクリ『木の戦い』はここから始まっています。